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研究内容

 教員の研究分野は教育測定学とか計量心理学とか言われるものですが,もう少し具体的に説明すると,テスト研究入試研究共同研究に大別されます。また,研究というほどではありませんが,人文社会系におけるデータサイエンス教育にも関心があり,統計解析ソフトRのスクリプト集の作成などを行っています。以下,それぞれの研究について説明します。

テスト研究

 人は多かれ少なかれ,テストのお世話になっています。テストの結果に一喜一憂したり,テストの結果で進路が決まったり,資格を得られたりした経験は,多くの人が持っているでしょう。また,テストの結果が人事査定や評価に使われたり,施策の決定などに利用されることもあります。このように,テストは私達の人生,生活に大きな影響を及ぼすものです。

 にもかかわらず,テストに対する評価,検討はほとんどなされないのが実状です。ひとたび結果(データ)が示されれると,それが何を反映するデータであるかも考えずに,数値だけを見て,議論や判断をしています。専門家が作ったものだから信用できるということかもしれませんが,おそらくそこで言われる専門家は,教科,内容の専門家であり,テスト,つまり,測定技術の専門家とは限りません。

 精確に測ることは科学の基本です。正しく測定できてこそ,正しい議論と評価を行うことができます。そして,精確に測定するためには知識や技術が必要です。テストについても,それは同じです。テストで測りたいものをより精確に測るためには,相応の技術や知識が必要なのです。

 そこで登場するのがテスト研究です。「テスト研究」のページで詳しく説明していますので詳細はそちらを参照してください。問題の作り方から実施,採点,評価,活用に至るまで,より適切なテストを目指して研究しています。個人的な経験論や教育論,正論,べき論,理想論ではなく,科学的な理論と実際の受検者の回答データに基づいて,テスト問題の分析(項目分析)や,項目作成ガイドラインの検証などの研究を行っています。

 研究室メンバーが行ったテストに関する研究成果の一部は,資料集のページから確認することができます。

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入試研究

 テストが利用される場面の1つに入試があります。入試は,どこの学校に進学するかを決定するのに大きく影響するテストです。公平,公正な実施が厳しく求められます。

 これに対し,入試を取り巻く環境は複雑です。大学入試だけを見ても,一般選抜,学校推薦型選抜,総合型選抜などいくつかの種類があり,さらに細かく見ると,前期入試,後期入試,留学生入試,帰国子女入試,社会人入試,編入試など,さまざまな枠があります。共通テストを利用するかしないかなども含めると,実にたくさんの入試区分が存在します。

 入試科目のほうも,学力試験,面接試験,口述試験,実技試験,書類審査など,いろいろな組み合わせが考えられます。また,マーク式,記述式,口述式など,回答方法の議論もあるでしょう。さらには,定員管理や大学経営のことも考えなくてはなりません。

 このように,複雑な状況に置かれている入試を適正に行うためには,かなりの,そして特有の知識や技能が必要です。入試改革や高大接続を適切に進めるには,これらの知識や技能について十分理解し,さらに研究することが不可欠です。そこで,適正な入試の実施に資する研究を,名古屋大学教育基盤連携本部アドミッション部門などと連携して行っています。

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共同研究

 データに基づいて研究を行うには,統計分析,データ科学,テスト理論などの知識と技術が必要になります。そしてこれらの知識や技術は,テストや入試だけでなく,他の多くの分野,とくに,人を相手とする医療や看護などの研究にも役立ちます。この特性を生かして,精神医学,看護学の研究者との共同研究なども行っています。

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データサイエンス教育

 データサイエンス,統計学,AIが注目される昨今,人文社会系におけるこれらの領域の教育,学習にも関心を持っています。

 いまの時代,分析自体はコンピュータソフトがやってくれますので,手計算で結果を出すことはまずありません。必要なのは,どのようにデータを収集するか,どのように分析するか,そしてどのように結果を解釈するかについての正確な知識です。そこで授業では,統計分析における考え方に重点を置いて教えています。

 分析は統計ソフトがやってくれますが,それを動かすのは自分達です。そこで,統計解析ソフトの使い方についても教えています。統計解析ソフトRのスクリプト集では,心理学や教育学,看護学,医学の領域で使われることの多い統計分析手法いついて,Rという統計ソフトの使い方を説明しています。

 研究内容に興味関心を持たれた方は,お問い合わせのページをご参照頂き,ご連絡ください。


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