教育実践問題 支援プロジェクト
 概 要


 平成14年度は、実質的なプロジェクトの実働期間が4か月と短期間であり、連携強化のための組織づくりに、まず力点をおいた。期限つきの経費によって支援されたプロジェクトでありながらも、これを契機として永続的な連携とそれにもとづく大学の地域貢献の可能性を示すことができた。具体的には、まず、授業研究会における授業の相互参観や研究協議の機会を通して、東海市側では拠点3校や、教育委員会間との連携が強化された。また、教育実践課題支援の基盤となる体制として、大学側にプロジェクト本部が確立した。そして、両者の連絡・調整・企画のための連絡協議会の体制も整った。
 さらに、研究内容の面でも深まりがみられた。第1は、6回の授業研究会の各回においてそれぞれに、今後の授業のあり方を考えるための手がかりが具体的な姿をともなって明らかになってきたことである。たとえば、教科の目標と新しい授業形態の関わり、個々の授業レベルでの児童・生徒理解と観点別評価のあり方、個人に応じた指導および教材のあり方などである。第2は、授業直後に行われる研究協議を、実践した教師の意図・問題意識や観察された事実にもとづいて行えるような、新しいワークショップ形式を提案したことである。第3は、研究データとして、授業案、映像記録、音声記録、観察記録、逐語記録など、授業の総合的な記録が、今後に参照しうる形式で体系的に蓄積されたことである。
 こうした成果にもとづき、次年度以降も、さらにこのプロジェクトを発展させていくことを計画中である。

2003.04.03
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
教育実践問題支援プロジェクト
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