博士後期課程
- 研究領域:
- 教育測定学,テスト理論,データ科学
- 研究テーマ:
- 中国語能力試験における特異項目機能の研究
博士後期課程
公平性が求められるテストにおいて,特異項目機能 (Differential Item Functioning:DIF) を検出することは重要である。DIFとは,同じ能力の生徒が同じ項目に対して異なる回答をすることを指す。例えば戦争やスポーツに関する記事の読解力テストでは,一般的な読解力は同程度にもかかわらず,男子は女子よりも成績が高くなる傾向がある。言語テストにおいては,文化や母国語,性別,学習環境などの要因が不公平をもたらす可能性がある。中国語のテストについても,中国語を学ぶ学生は年々増加し,学習者のバックグラウンドも多様化しているため,DIFの影響を把握する必要がある。しかし,従来の手法では,試験の実施前にDIFを分析することができない。本研究の目的は,中国語テストにおけるDIFの有無を,試験実施前に効果的に予測するために,DIF に影響を与える要因とパターンを特定することである。本研究の結果は,中国語のテストを作成するためのガイドとして使用されることが期待される。これにより,テストにおける学習者の能力以外の要因による不公平を効果的に防ぐだけでなく,様々なバックグラウンドを持つ学習者にアドバイスやフィードバックを提供できる。
最近『Quackery: A Brief History of the Worst Ways to Cure Everything』という本を読みました。歴史的には,さまざまなでたらめな治療法がありました。例えば「患者が40℃以上の高熱の場合は,ヒ素の投与が勧めらる」などです。幸運にも私達は,それがでたらめな治療法であると明確に分かる時代に住んでいます。古代から医学は発達し,科学へと発展しました。そこには,無数の誤りとたくさんの人達の死がありました。これは証拠に基づいた医学の重要性でもあるかもしれません。教育も,データや証拠によって科学として進歩していくことができるでしょうか? 私は,医学と同じように,データを用いて教育を発展させたいと考えています。それが私の理想です(趣味でもあります)。