ロゴ画像

項目分析システム

 項目分析がテスト作成に有効だと分かっても,それを自分で行うことは困難な場合も多いです。そこで,データを読み込んで項目分析を実行するシステム「テスト項目・解答データ分析ツール」を開発しましたので紹介します。
 「テスト項目・解答データ分析ツール」は,多肢選択式項目(複数の選択肢から正答を1つ選ぶ項目)からなるテストのデータを分析するシステムです。解答データと正答キー(正答選択肢の記号)を読み込み,得点分布や項目分析,受験者の成績などの結果を出力します。テスト得点の全体傾向の把握や,個々のテスト項目の特徴の検討,受験者の解答傾向の分析などに利用できます。


ダウンロード

 以下をクリックして,システムファイル,マニュアル,サンプルデータをダウンロードしてください。一括ダウンロードをクリックすると,ファイルを一括してダウンロードできます。

<先頭へ戻る> <テスト研究のページへ戻る>

ファイルの準備

 「テスト項目・解答データ分析ツール」を使うにあたって必要となるファイルは,システムファイル,解答データファイル,正答キーファイルの3つです。

システムファイル

 解答データと正答キーを読み込み,分析を実行・保存するExcelマクロファイルです。ファイル名「テスト項目・解答データ分析ツール(公開版).xlsm」の拡張子「.xlsm」は変更できませんが,「テスト項目・解答データ分析ツール(公開版)」の部分は変更することができます。名前を変えて保存することにより,分析結果を保存することが可能になります。

分析システム

解答データファイル

 多肢選択式項目からなるテストの解答データを保存しておくExcelまたはCSVファイルです。「サンプル解答データ.xlsx」がこれに該当します。ファイルの拡張子が「.xlsx」「.xls」「.csv」のいずれかである必要があります。
  以下のような制約がありますので,必ずこの形式でファイルを作成してください。変数名については,一般的な規則以外にとくに制限はありません。

  • 1行目は変数名を入れてください。データは2行目から入力してください。
  • 1列目(A列)は,受験番号,学生IDなど,個人を識別できる変数にしてください。
  • 2列目(B列)から,学年,性別などの属性変数を設定することができます。列数に制限はありません。属性変数がない場合は省略することができます。
  • 属性変数が終わった次の列からテスト項目の列を作成してください。
  • 最終のテスト項目列より右の列には何も入力しないでください。
  • テスト項目のデータは,すべての項目について同じ選択肢記号を用いてください。同じ記号であれば,数字,アルファベット,ひらがななどの文字種は問いません。
  • 無解答は空白としてください。

解答データ

正答キーデータファイル

 多肢選択項目の正答記号を保存しておくExcelまたはCSVファイルです。「サンプル正答キー.xlsx」がこれに該当します。拡張子が「.xlsx」「.xls」「.csv」のいずれかである必要があります。
 以下のような制約がありますので,必ずこの形式でファイルを作成してください。

  • 1行目は変数名を入れてください。1列目(A列)は「テスト名」などとし,2列名からテスト項目名を入れてください。
  • テスト項目名は,解答データのテスト項目名と一致させてください。解答データファイルと正答キーファイルの項目名が一致しない場合はエラーになります。解答データファイルのテスト項目名をコピーし,正答キーデータファイルのテスト項目名としてペーストすることをお勧めします。
  • 2行目1列(A列)に具体的なテスト名(国語など)を入力し,2列目(B列)以降に,各テスト項目の正答キー(正答記号)を入れてください。解答データの記号と正答キーデータの記号の種類が一致しない場合はエラーになります。
  • 正答キーファイルに受験番号や属性変数などは入れないでください。
  • 3行目以降,また,最終テスト項目以降の列には何も入力しないでください。

正答キー

<先頭へ戻る> <テスト研究のページへ戻る>

システムの使い方

システムの起動

 ダウンロードしたシステムファイル「テスト項目・解答データ分析ツール(公開版).xlsm」をダブルクリックしてください。以下のような表示が出る場合は,「コンテンツの有効化」をクリックしてください。

有効化ー

インプットファイルの設定

 「メニュー」シートの「解答データ(Excel)」ボタンを押すと,解答データを選択する画面が開きます。解答データファイルを選び「OK」を押して,解答データを設定してください。
 同様に,「正答キーデータ(Excel)」ボタンを押すと,正答キー(正答記号)データを選択する画面が開きます。正答キーデータファイルを選び「OK」を押して,正答キーデータを設定してください。

インプットファイル
インプット解答データ

属性情報の設定

 「属性情報」で,学年,性別などの属性変数の開始列と終了列を,大文字アルファベットで設定してください。

属性情報

解答選択肢の設定

 「解答選択肢」の欄に,解答に使われる記号をすべて設定してください。記号の種類は問いません。項目により選択肢数が異なる場合は,最大選択肢数分の記号を設定してください。

解答選択肢

許容マージンについて

 本システムでは,得点の高い受験者が易しい項目(正答率の大きい項目)に誤答した場合,また,得点の低い受験者が難しい項目(正答率の小さい項目)に正答した場合のように,当該受験者の得点からは想像しにくい解答について,受験者分析シートの当該セルに色を付けて表示します。そのとき,色付けしない範囲を許容マージンで設定します。0~100の値で設定でき,値が大きいほうが許容度が高く,色付きセルが少なくなります。デフォルトは50です。色付けの設定は,『■分析結果の内容・見方』の『5.「受験者分析」』を見てください。

許容マージン

実行

 上記の設定がすべて終わったら,「実行」ボタンを押して分析を実行します。分析が無事実行されると「完了しました。」と表示されるので「OK」ボタンを押します。そうすると,各分析の結果を収めたシートが作成されます。
 分析が実行できない場合はエラーメッセージが表示されます。

設定
完了
シートタブ

分析結果の保存

 システムファイルの名前を変更して保存すると,分析結果を保存することができます。「ファイル」→「名前を付けて保存」とし,ファイル名を変更して「保存」を押してください。

分析結果の保存

新しい分析の実行

 新しい別の分析を実行するには,既存のシステムファイルを開き,「初期化」ボタンを押します。すると,解答データファイル,正答キーファイル,分析結果シートが削除されます(属性情報と解答選択肢は削除されません)。この状態にしてから,新規の分析のための設定を行ってください。新規に分析した実行結果を保存するには,また名前を変えてシステムファイルを保存します。

初期化

<先頭へ戻る> <テスト研究のページへ戻る>

分析結果の内容

 分析が正常に実行されると,「解答データ」「正答キー」「テスト得点」「項目全体」「受験者分析」のシート,および各項目名のシート(項目数分)が作成されます。

「解答データ」シート

 読み込んだ解答データを表示するシートです。

解答データ

「正答キー」シート

 読み込んだ正答キーデータを表示するシートです。

正答キー

「テスト得点」シート

 各受験者のテスト得点(正答数)を計算し,項目数,受験者数,平均,標準偏差,最小値,中央値,最大値,α(アルファ)係数を表示します。α係数はテストの信頼性を表す指標です。信頼性とは測定誤差の小ささであり,α係数の値が大きいほど測定誤差が小さく,テスト得点が信頼できることを表します。最大値は+1です。
 テスト得点を得点率(得点÷項目数×100)に変換した場合のこれらの値も求めます。項目数,受験者数,α係数は,得点と得点率で同じ値となります。
 また,テスト得点のヒストグラムを表示します。

テスト得点

「項目全体」シート

 項目分析の結果の概要を以下のような表で表示します。

項目分析表

  • 項目:項目名です。
  • 受験者数:受験者数です。全項目について同じ値になります。
  • D値:項目の識別力を表す指標です。
     識別力とは,高得点者ほど正答し低得点者ほど誤答するという傾向の強さです。D値は,得点上位27%の受験者の平均正答率から,得点下位27%の受験者の平均正答率を引いた値で,-100%~+100%の値をとります。値が大きいほど識別力は大きくなります。値が負になる場合(低得点者ほど正答できる場合),赤色文字で表示されます。
  • I-T相関:項目の識別力を表す指標です。
     項目得点と,その項目を除いた残りの項目の合計得点との相関係数です。-1~+1の値をとり,値が大きいほど識別力は大きくなります。値が負になる場合(低得点者ほど正答できる場合),赤色文字で表示されます。
  • α係数:テストの信頼性を表す指標です。全項目で同じ値が表示されます。
  • 削除α:その項目を除いた残りの項目でテストを構成したときのα係数です。
     α係数 ≧ 削除α となる場合,その項目はそのテストに有用と判断されます。
     α係数 < 削除α となる場合,その項目はそのテストに有用でないと判断されます。
  • 正答キー:その項目の正答キー(正答記号)です。
  • 選択肢記号:選択肢記号を変数名に用い,当該選択肢の選択率(%)を表示します。色の付いた選択肢が正答選択肢です。
  • 無答:無答率(%)です。

「受験者分析」シート

 各受験者の結果をまとめた以下のような表を表示します。

受験者分析

  • 整理番号・属性変数:解答データファイルの個人を識別する変数,属性変数のデータです。変数名は解答データにある変数名となります。変数名は解答データにある変数名となります。
  • 得点:各受験者のテスト得点(正答数)です。
  • 得点率:各受験者の得点率です。
  • 各項目:各受験者の当該項目の正誤情報を1か0で表します。1は正答,0は誤答です。
     得点の高い受験者が易しい(正答率の大きい)項目に誤答した場合,セルが黄色で表示されます。
     得点の低い受験者が難しい(正答率の小さい)項目に正答した場合,セルが水色で表示されます。

 色を付ける基準は次の通りです。得点Xの満点から数えたときの累積相対度数をB,許容マージンをD,項目正答率をPとするとき,
 B+D < P となる項目:X点取った受験者に取って許容範囲を超えて易しい項目に誤答
 B-D > P となる項目:X点取った受験者に取って許容範囲を超えて難しい項目に正答
した場合に,当該セルに色を付けます。

「各項目」の分析シート

 項目ごとに,詳細な項目分析の結果を表示します。
 項目名,受験者数,正答率,D値,I-T相関,α係数,削除α,正答キー(正答記号)を表示します。
 受験者全体,得点上位27%群,中位46%群,下位27%群のそれぞれについて,各選択肢の選択率,無答率を表示します。
 識別指標として,各選択肢および無答について,その選択肢を正答選択肢とみなした場合のD値とI-T相関を表示します。正答選択肢のこれらの値は+,誤答選択肢のこれらの値は-になることが望まれます。
 項目のトレースライン(解答率分析図)を表示します。これは,得点上位群,中位群,下位群の各選択肢の選択率を,選択肢ごとに直線で結んだ図です。正答選択肢のグラフは太線で表示されます。正答選択肢のグラフは右上がり,誤答選択肢のグラフは右下がりになることが望まれます。

x1
x1

<先頭へ戻る> <テスト研究のページへ戻る>

エラーメッセージ

 ファイルを指定しないで実行した場合 → ファイルを指定してください
ファイル未設定


 前の分析結果(シート)が残っている場合 → 初期化ボタンを押してください
初期化


 解答データと正答キーの項目名に違いがある場合 → 項目名を一致させてください
 属性変数の終了列の設定に誤りがある場合 → 正しい列を設定してください
ファイル未設定


 属性情報の終了列を入力しなかった場合 → 属性情報の終了列を入力してください
初期化


 解答選択肢に設定した記号,解答データの記号,正答キーの記号のいずれに種類の異なるものがある場合 → 記号の種類を一致させてください
ファイル未設定


 許容マージンに範囲外の値を設定した場合 → 0~100の値で設定してください
初期化

<先頭へ戻る> <テスト研究のページへ戻る>

利用に関する情報

動作環境

 「テスト項目・解答データ分析ツール」はExcelのマクロで書かれています。Excelのバージョンの不整合等もあるため保証はできませんが,Excelが使える環境であれば利用できます。WindowsのPCに対応しています。

著作権・利用許諾

 「テスト項目・解答データ分析ツール」の著作権は,名古屋大学大学院教育発達科学研究科計量心理学領域石井研究室に帰属します。利用にあたって,非営利目的で使用される場合はとくに利用許諾を取って頂く必要はありませんが,営利目的で使用する場合は,下記問い合わせ先までご連絡ください。

免責事項

 本システムを用いて生じるいかなる結果についても,当研究室は責任を持ちません。ご了承ください。

問い合わせ先

 Email:ishii.lab.nuedu.psychometrics[at]gmail.com([at]を@に変えてください)
 郵 便:〒464-8601 名古屋市千種区不老町
      名古屋大学 大学院教育発達科学研究科
      心理発達科学専攻 計量心理学領域 石井研究室

<先頭へ戻る> <テスト研究のページへ戻る>