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専門領域について
Qどのようなきっかけでこの学問を始めたか
大学2年の時の心理学基礎実験や調査の授業をとおして心理学の研究について(1)自由に問題設定できるおもしろさを感じ、(2)データをあれこれいじくるのが性にあっていると思ったこと、さらに(3)結果の解釈に絶対的正答はなく、創造的展開が可能であると考えたことによると思います。


現在の研究について
Q現在の主要な研究の内容を教えて下さい
自伝的記憶の内容と現在の動機づけがどのように関係するのかを特にスポーツや英語学習の領域について検討しています。正の感情を伴う自伝的感情は強い動機づけを導きます。一方、負の感情を伴う自伝的記憶は動機づけを抑制することもありますが、逆に促進することもあるようです。記憶の内容と動機づけがどのように相互作用しているか明らかにするのが究極の目標です。

Q今までの研究で一番心に残っている出来事、ハプニングを教えて下さい
ある学会誌に投稿した論文の英文要約の査読者から英文ではなく論文の内容について激励の手紙をいただいたこと。本来覆面の審査者と投稿者はとかくぎすぎすした関係にあると考えがちですが、暖かい交流もありえます。

Q授業のねらい、背景を教えて下さい
今回の学部の講義では自著を使って、一般論というよりは私自身の動機づけの考え方を中心に話しています。拙い歩みではあってもそれを開示して、一人でも心理学の研究をしてみたいと思う人がでればという気持ちでやっています。また、人間発達という視点から動機づけも発達変容するという見方が必要だということを理解してほしいと思っています。

Q求められる学生像を教えて下さい。またその他何でも結構です。
一時的に心理学にも関心をもつ学生は多いのですが、「持続性」「執着心」というものが強い学生は少なくなってきているように思います。そのような特性をもつことが人格的にみて常に望ましいわけではありませんが、研究には必要ではないかと考えます。

最近は大学も実に慌しいところとになりつつありますが、よい研究もよい教育もゆっくり流れる時間の中でなしうるもののように思います。


指導生から一言
速水先生は,動機づけ研究で著名な方であり,遠くの大学から先生に師事しようと大学院を受験する学生も少なくありません.しかし,現在所属する大学院生では,その研究領域が多様であることも事実です.したがって指導会の場では,多方面からの活発な意見が飛び交います.先生自身は,学生に対して率直な言動をもって接する方です.卓球がお好きな先生なので,大学院志望生は卓球をたしなむことが必須でしょう!?