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院・教 2単位 春学期金6
担当教員 大谷
OTANI
科目名 EDUEA6201J 教育情報学研究Ⅰ
Seminar on Information Science in Education I
高専人科目名 EDUEP6202J 学校情報学Ⅰ
Information Science in School I
EdD科目名 EDUEP6202J 学校情報学Ⅰ
Information Science in School I
概要/Outline <質的研究方法論 −理論編−>
 この授業は「教育情報学」であるが,質的研究法に関する授業として解説する.(教育情報学に関する内容つまり情報テクノロジーの教育利用については,必要に応じて適宜取り扱うようにする.)
 受講者は,各自の研究テーマや研究的関心,研究ニーズに基づいて,質的研究方法により実施され執筆された研究論文あるいは,質的研究方法論に関する論文や本の一章などを選択する.(選択の際には相談に応じる.選択する論文は,和文だけでなく,英文でも良い.)
 受講者は各自でそれをまとめ,論文以外にも,インターネット等で情報収集をした上で,レジュメを作成して報告する.それを受講者全員で検討する.
Participants are to be engaged in literature studies on various aspects of technologies in education. Participants select excellent qualitative study article and discuss on them. They also study qualitative research methodologies through such learning activities.
到達目標/Objectives 質的研究の意義,歴史的発展の経緯,方法,問題,課題等を理解し,多様な質的研究に触れたときに,その意義や位置づけを自分で理解することができるようになること.
授業の内容/Contents 1
授業のオリエンテーション
 参加者と授業者の自己紹介,参加者のバックグラウンドについての相互理解をはかる.それに基づいて授業計画を修正した上で,授業について解説する.また,各自,授業者と相談の上で,発表する論文を検索し,確定する.
 自分の報告する文献について精査し,必要な情報を収集して報告のためのレジュメを作成する.
 報告担当者以外は,報告者の担当するテーマについて情報収集を行っておくとともに,報告者があらかじめ提出したレジュメを批判的に検討しておく.また,次回以降に予告された内容について調べておく.
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質的研究に関する検討
質的研究の概説,研究デザインの方法,観察・面接手法,データ分析手法等に関する解説と検討
 同上
 なお、5/6は出張予定のために休講にするため、この回に課題を出す.
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質的研究に関する検討または受講者からの報告と討論
質的研究の概説,研究デザインの方法,観察・面接手法,データ分析手法等に関する解説と検討,または受講者からの報告と討論を行う. 各自の発表論文についての報告のレジュメはこの日に提出すること.
 自分の報告する文献について精査し,必要があればレジュメを修正する.
 他の参加者のレジュメを良く読んでおく.疑問があれば自分で調べ,それでもわからなければ授業時あるいはメールで相談する.
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同上
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同上
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同上
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同上
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同上
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同上
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同上
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同上
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同上
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同上
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総括
 この授業の総括を行う.
教科書/Textbook 教科書は特に設定しない.
参考書・参考資料/References <図書>
『質的心理学講座第1巻』.東大出版会 2008 (大谷担当「学校文化と「神々の微笑モデル」−テクノロジーと教授・学習文化とのコンフリクト−」)
『質的研究ハンドブック 1巻 質的研究のパラダイムと眺望』N.K.デンジン・Y.S.リンカン編、平山満義監訳、北大路書房 2006 岡野一郎・古賀正義 編訳
『質的研究ハンドブック 2巻 質的研究の設計と戦略』N.K.デンジン・Y.S.リンカン編、平山満義監訳、北大路書房 2006 藤原 顕 編訳
『質的研究ハンドブック 3巻 質的研究資料の収集と解釈』N.K.デンジン・Y.S.リンカン編、平山満義監訳、北大路書房 2006 大谷 尚 ・伊藤 勇 編訳
『 質的研究法による授業研究 −教育学・教育工学・心理学からのアプローチ−』(共著:平山満義 編)北大路書房 1997( 大谷担当「教育工学からみた質的授業研究」123-181)
<論文>
大谷 尚(2016)質的研究とは何か ~その意義と方法~ .日本歯科医師会雑誌. 68(12).15-24青松棟吉・大谷 尚.司会:西城卓也 (2014).座談会:医学教育研究における研究倫理. 医学教育.45(4). 249-274
大谷 尚 (2011) SCAT: Steps for Coding and Theorization -明示的手続きで着手しやすく小規模データに適用可能な質的データ分析手法 -.感性工学.Vol.10 No.3 pp.155-160
大谷 尚(2008) 質的研究とは何か--教育テクノロジー研究のいっそうの拡張をめざして.教育システム情報学会誌.25(3) 340-354
大谷 尚(2008) 4ステップコーディングによる質的データ分析手法SCATの提案−着手しやすく小規模データにも適用可能な理論化の手続き−.名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学),第55巻第 2号 (SCAT WEB ページ http://www.educa.nagoya-u.ac.jp/~otani/scat/)
大谷 尚(2006) 教育と情報テクノロジーに関する検討 −ハイデッガーの『技術への問い』をてがかりとして−  教育学研究. Vo.l73. No.2,別冊 14-28
大谷 尚(2005) 質的アプローチは研究に何をもたらすか.(大谷 尚・無藤 隆・サトウタツヤ.質的心理学が切り開く地平.pp16-36)質的心理学研究.第4号.pp17-28
大谷 尚(1999)「質的研究」の文脈からみた日本の授業研究の位置づけに関する試論 −研究成果の交流と共有を展望して−『教育方法学研究』24. 29-37
大谷 尚(1997) インターネットは学校教育にとってトロイの木馬か −テクノロジーの教育利用と学校文化−『学習評価 研究』29.1997.42-49
成績評価方法/Evaluation 授業への貢献,提出資料(レジュメ),出席を総合して評価する
履修条件/Conditions
その他の注意/Remarks この授業は名古屋大学大学院医学系研究科にもシラバスが公開されているので,医学系研究科大学院生も受講する可能性がある.受講希望者が多い場合,受講制限を行うことがあるが,その際,単純に本研究科学生を優先するのではなく,受講に際しての受講者の受講のニーズとレディネス,受講者の研究と講義内容との関連などを評価して受講者を決定する予定であるので,あらかじめ了解されたい.