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学部 学校教育情報コース 選必2単位 春学期集中
担当教員 岡本[非]
Lecture on Curriculum Studies IV
科目名 カリキュラム学講義Ⅳ
対象学年 3年 以上 他学部受講 不可
時間割コード 0227310
概要/Outline 教育社会学・知識社会学の観点からカリキュラム政策の社会的帰結について考える。教育社会学は、教育に関わる社会事象を対象とし、社会学の視点と方法で研究する学問である。その対象は幅広く設定できるが、本講では歴史教科書問題および「ゆとり」教育問題に着目し、現代社会の構成と変容を理解する。社会が教育を規定すると同時に、教育が社会を作り出しているという、両者の循環的関係を認識することが、本講の目的である。
This course aims at exploring some consequences of curriculum policy from the point of view of sociology of education and sociology of knowledge. Paying special attention on issues of history textbooks and so called “Yutori” educational policy, this course explains the transformation of modern societies. By doing so, this course tries to illustrate circular relations between society and education.
到達目標/Objectives 現代日本のカリキュラム政策の動向、その政策的意図、および社会的帰結について理解する。
教育社会学の基本概念および理論の学習を通して、教育事象をみるための社会学的方法論を身につける。
学校教育がもつ二面性――今後の社会を形成する機能的側面と、これまでの社会の構成にとっての原因的側面――について理解する。
授業の内容/Contents 第1回 本授業のねらいと進め方について。学校カリキュラムの本質
第2回 経験主義と系統主義。学校知と権力
第3回 なぜ歴史教科書が問題となるのか
第4回 1950年代の第1次歴史教科書論争
第5回 1980年代の第2次歴史教科書論争
第6回 アメリカ社会の多文化化と教育の変化
第7回 教育資源としての共生概念
第8回 課題図書『共生社会とナショナルヒストリー』に関する発表と検討
第9回 課題図書『共生社会とナショナルヒストリー』を基礎とした討論
第10回 学力低下論争と「ゆとり」世代論
第11回 カリキュラム政策の変遷における高度経済成長期の位置
第12回 課題図書『「ゆとり」批判はどうつくられたのか』に関する発表と検討
第13回 課題図書『「ゆとり」批判はどうつくられたのか』を基礎とした討論
第14回 2017-18年の学習指導要領改訂
第15回 総括と補遺
教科書/Textbook 岡本智周『共生社会とナショナルヒストリー――歴史教科書の視点から』勁草書房、2013年.
佐藤博志・岡本智周『「ゆとり」批判はどうつくられたのか──世代論を解きほぐす』太郎次郎社エディタス、2014年.
参考書・参考資料/References 岡本智周『国民史の変貌――日米歴史教科書とグローバル時代のナショナリズム』日本評論社、2001年.
岡本智周『歴史教科書にみるアメリカ――共生社会への道程』学文社、2008年.
その他、必要な文献は教室で紹介します。
成績評価方法/Evaluation 出席状況、毎回の授業で提出するコメントシートの内容、課題図書についての発表および討議への参加姿勢を評価対象とし、総合的に判断します。
履修条件/Conditions 講義に加えて、受講者の発表と討論による演習の時間を設けます。
授業内容は継続的に進行するので、授業のなかで論じられた現象や概念については自ら調べるとともに、積極的に質問・疑問を提示してください。
その他の注意/Remarks 授業構成は、受講者の数と受講者各人の関心によって変更を行うことがあります。