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学部	生涯教育開発コース	選必Ⅱ2単位	秋学期月3
担当教員	江頭 EGASHIRA
科目名	EDUED3111J	教育社会史講義Ⅰ Lecture on history of education I
対象学年	２年以上	他学部受講	可
時間割コード	0223441
概要/Outline	戦闘行為の様式の変化や、総力戦という戦争体制の確立によって、20世紀において戦争はその範疇を大きく拡大させました。そしてその結果として、民間人が、そして子どもまでもが、戦争に必然的に巻き込まれるようになりました。本授業では、そうした「子どもと戦争」に関わる問題について、ドイツおよび第二次世界大戦を対象として考えていきます。 　本授業は、大きく三つに分かれます。第１部では、戦争をするための国づくりの準備としての様相を呈した、ナチス・ドイツにおける学校教育や社会教育による子どもたちの教化について取り上げます。第２部では、ホロコーストやレーベンスボルン政策、そして実際の戦闘への動員などを取り上げながら、戦時下の子どもたちが強いられた多岐に亘る犠牲について検討します。その際に、ホロコーストの犠牲となった子どもたちと共にあり続けた、ユダヤ系ポーランド人の教育者ヤヌシュ・コルチャックにも目を向けます。第３部では、戦争と不可分であったナチズムに対する、教育者アドルフ・ライヒヴァインによる戦時下での抵抗や、そうした抵抗活動が継承されたものとしても位置付けられる、戦後の反ナチ教育について取り上げます。 　本授業では、内容の理解に資することを目的として、関連する映画を部分的に視聴します。視聴を予定している映画は次のとおりです。『ナポラーエリート養成機関ー』『魔王』『スウィング・キッズー引き裂かれた青春ー』『縞模様のパジャマの少年』『黄色い星の子どもたち』『コルチャック先生』『誰でもない女』『橋』『ヒトラーー最後の12日間ー』。加えて、授業担当者が撮影した写真も適宜提示します。
到達目標/Objectives	子どもたちに多大な悪影響を及ぼす戦争の問題や、戦争を肯定する手段として用いられる教育の問題について批判的に理解すると共に、平和の構築に資するための教育の在り方について視座を得ることを到達目標とします。
授業の内容/Contents	01．オリエンテーション 02．『わが闘争』と教育 03．教育の強制的同質化 04．学校教育および教科書の歪曲 05．ナチスのエリート教育 06．ヒトラー・ユーゲントによる青少年の組織化 07．ヒトラー・ユーゲントへの反抗と取り締り 08．教育における反ユダヤ主義の展開 09．ホロコーストによる子どもたちの犠牲 10．コルチャックと子どもたち 11．レーベンスボルンと子どもたちの生の管理 12．戦時下のドイツの学童疎開 13．戦争・戦闘への子どもの動員 14．抵抗の教育者としてのライヒヴァイン 15．戦後の反ナチ教育・追悼施設教育
教科書/Textbook	特に指定しません。
参考書・参考資料/References	對馬達雄著『ヒトラーに抵抗した人々』中央公論新社、2015年、など。
成績評価方法/Evaluation	学期末の試験（70％）、小レポート（30％）で評価します。
履修条件/Conditions	特にありません。
その他の注意/Remarks	映画の中には内容上どうしても残酷と言えるようなシーンもありますが、そうした場面は極力取り上げないようにします。