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学部 選必II2単位 後期月3
担当教員 江頭
科目名 教育社会史講義I EDUED3111J
対象学年 2年以上 他学部受講
時間割コード 0210013
概要 本授業では主としてドイツ(ドイツの占領地を含む)および第二次世界大戦を中心として、「戦争と子どもたち」というテーマで講義をします。総力戦体制の様相を呈し戦場が際限なく広がった20世紀は戦争の範疇を大きく拡大した時代であり、民間人が、そして子どもたちまでもが容易に戦争に巻き込まれるようになりました。戦争は生死に関することはもちろんこと、たとえ生きのびることができたとしても子どもたちの心身の発達に多大な影響を及ぼします。その意味で重要な教育学的課題であるといえます。
 授業ではまずは将来の戦時体制を支える国民を育成することを目的としたナチス・ドイツの学校内外の教育とその「成果」について取り上げます。次にホロコーストをはじめとする戦時下の子どもたちの多岐にわたる犠牲について批判的に検討します。続いて戦時下で子どもたちのために尽力したにコルチャック先生のような「光」について取り上げます。最後に戦後に残された問題と、戦後の反戦・反ナチ教育について考察します。
 授業では資料として当時の子どもたちの残された証言などを積極的に紹介します。また、視覚的な効果を促すために主題に関するテーマを描いた映画や映像資料を用います。検討する映画は、「縞模様のパジャマの少年」「黄色い星の子どもたち」「ぼくの神様」「コルチャック先生」「スウィング・キッズ」「さよなら、アドルフ」などです。
到達目標 戦争が子どもたちにもたらす多大な影響とその問題性について、ならびに教育は戦争を肯定する手段としてを用いられる可能性を有するものであることについて理解するとともに、平和の構築の手段としての教育の在り方について視座を得ることを目標とする。
授業の内容 01.オリエンテーション
02.戦争に向けたナチス・ドイツの学校教育
03.戦争に向けたナチス・ドイツの学校教育②
04.戦争準備としてのヒトラー・ユーゲントの組織化①
05.戦争準備としてのヒトラー・ユーゲントの組織化②
06.戦時下のヒトラー・ユーゲント
07.戦時下の学童疎開
08.ホロコーストと子どもたちの犠牲①
09.ホロコーストと子どもたちの犠牲②10.ドイツ占領下で生まれた子どもたち
11.キンダートランスポート事業
12.コルチャック先生と子どもたち
13.子どもと若者たちの抵抗
14.戦災孤児と戦後の子どもたち
15.戦後の反戦・反ナチ教育
教科書 特に指定しません。
参考書・参考資料 授業の中で適宜紹介します。
成績評価方法 学期末試験(70%)と小レポート(30%)で評価します。
履修条件 特にありません。
その他の注意 特にありません。
〔教職〕外国史