院・教
|
| 2単位
| 後期火1
| 担当教員
| 大谷
| 科目名
| 教育情報学研究II
| 高専人科目名
| 学校情報学II
| EdD科目名
| 学校情報学II
| 概要
|
<質的研究方法論 -実践編-> | この授業の科目名は「教育情報学」であるが,質的研究法に関する授業として解説する.((教育情報学に関する内容つまり情報テクノロジーの教育利用については,必要に応じて適宜取り扱うようにする.) 前期の受講によって質的研究のデザインと方法の概要を理解した受講者は,後期には,実際にデータの分析に挑戦する.分析のためのデータは,主に授業者が提供し,授業者の開発した質的データ分析手法 SCAT (大谷, 2008, 2011)を用いて分析し,各自の研究領域に関連する分析のための概念的枠組み(conceptual framework)を適用してデータを分析する.分析結果について,相互に示し合い,討論を行う.
| 到達目標
|
インタビューデータ,観察データなどの質的データを分析できるようになること. |
| 授業の内容
|
第1回 授業のオリエンテーションと SCAT についての解説 | 前期の内容をふりかえった後,この授業の進め方を確認し,この授業で用いる「質的データ分析手法 SCAT」についての解説を行う.受講者は、SCAT についての文献とWEB ページ http://www.educa.nagoya-u.ac.jp/~otani/scat/ を読んで理解しておく. 第2回-第3回 質的データの分析と理論化の試みと討論:協働作業 授業者の例示する質的データを協働で分析する.課題として出されたデータを分析するために必要な概念的枠組みを検討し,各自分析を試みておく. 第4回-最終回の前回 質的データの分析と理論化の試みと討論 同上 授業者の例示する質的データを各自が自分の研究領域の概念的枠組みを適用して分析する.その結果を授業で示し,全体で討論する.各自は自分の研究領域の概念的枠組みを適用してデータを分析し,ストーリーラインを記述し,理論記述を行う.SCAT の結果は授業参加者人数分のコピーを用意し,授業で配布する. 最終回 前期・後期のまとめとふりかえり 前期・後期を通しての授業参加のプロセスを振り返り,自分の授業参加を自己評価しておく.
| 教科書
|
教科書は特に設定しない. |
| 参考書・参考資料
|
<図書> | 『質的心理学講座第1巻』.東大出版会 2008 (大谷担当「学校文化と「神々の微笑モデル」-テクノロジーと教授・学習文化とのコンフリクト-」) 『質的研究ハンドブック 1巻 質的研究のパラダイムと眺望』N.K.デンジン・Y.S.リンカン編、平山満義監訳、北大路書房 2006 岡野一郎・古賀正義 編訳 『質的研究ハンドブック 2巻 質的研究の設計と戦略』N.K.デンジン・Y.S.リンカン編、平山満義監訳、北大路書房 2006 藤原 顕 編訳 『質的研究ハンドブック 3巻 質的研究資料の収集と解釈』N.K.デンジン・Y.S.リンカン編、平山満義監訳、北大路書房 2006 大谷 尚 ・伊藤 勇 編訳 『 質的研究法による授業研究 -教育学・教育工学・心理学からのアプローチ-』(共著:平山満義 編)北大路書房 1997( 大谷担当「教育工学からみた質的授業研究」123-181) <論文> 大谷 尚 (2011) SCAT: Steps for Coding and Theorization -明示的手続きで着手しやすく小規模データに適用可能な質的データ分析手法 -.感性工学.Vol.10 No.3 pp.155-160 大谷 尚(2008) 質的研究とは何か--教育テクノロジー研究のいっそうの拡張をめざして.教育システム情報学会誌.25(3) 340-354 大谷 尚(2008) 4ステップコーディングによる質的データ分析手法SCATの提案-着手しやすく小規模データにも適用可能な理論化の手続き-.名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学),第55巻第 2号 (SCAT WEB ページ http://www.educa.nagoya-u.ac.jp/~otani/scat/) 大谷 尚(2006) 教育と情報テクノロジーに関する検討 -ハイデッガーの『技術への問い』をてがかりとして- 教育学研究. Vo.l73. No.2,別冊 14-28 大谷 尚(2005) 質的アプローチは研究に何をもたらすか.(大谷 尚・無藤 隆・サトウタツヤ.質的心 理学が切り開く地平.pp16-36)質的心理学研究.第4号.pp17-28 大谷 尚(1999)「質的研究」の 文脈からみた日本の授業研究の位置づけに関する試論 -研究成果の交流と共有を展望して-『教育方法学研究』24. 29-37
| 成績評価方法
|
授業への貢献,提出資料(レジュメ),出席を総合して評価する. |
| 履修条件
|
|
| その他の注意
|
この授業は名古屋大学大学院医学系研究科にもシラバスが公開されているので,医学系研究科大学院生も受講する可能性がある.受講希望者が多い場合,受講制限を行うことがあるが,その際,単純に本研究科学生を優先するのではなく,受講に際しての受講者の受講のニーズとレディネス,受講者の研究と講義内容との関連などを評価して受講者を決定する予定であるので,あらかじめ了解されたい.
|
| |